ケース1 立場逆転

夫が浮気していると確信したAさん。
ある日夫の後をつけ、女性のアパートに入っていく姿を目撃します。
その日は一旦帰宅しますが、すっかり頭に血が上ってしまったAさんは、浮気相手の女性に詫び状を入れてほしいと、日を改めその女性のアパートを訪れます。

「あなた、うちの主人と浮気しているんでしょ!!」
怒り心頭で彼女を問い詰めるAさん。
「証拠でもあるの?あるんなら出しなさいよ!」

思いもかけず、逆に女性からものすごい勢いで問い詰められてしまいます。
Aさんは夫がアパートに入っていく姿を目撃しただけで、証拠として残すことはしていなかったのです。
「見間違えじゃないの?かえって失礼よ!!」
そう言われてしまった証拠の無いAさんには引き下がるしか道がありませんでした。
その後夫のガードは固くなってしまい自力で証拠を見つけることが困難になってしまったことは言うまでもありません。

ケース2 法的失敗

協議離婚で離婚が成立したBさん。前夫からは子供の養育費と慰謝料を毎月払い込んでもらう約束もしました。 しばらくは何事も無く、穏やかに離婚後の生活を送っていましたが、ある日突然、何の前触れも無く前夫からの養育費と慰謝料の払い込みが止まります。
前夫に連絡しようとしますが電話にも出てもらえません。

この時初めてBさんは自分自身の失敗に気付きます。
養育費と慰謝料の払い込みについての約束は公正証書として残すべきでした。公正証書として残しておけば、払い込みが行われなくなっても、 本裁判で判決したのと同じ扱いになるので前夫の財産の差し押さえが執行されます。
しかし、それをしなかったBさんにとって、養育費と慰謝料の払い込み再開の目処は立っていません。